国際ロータリー第2720地区 熊本・大分

ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第4回)

2026年02月16日

2025 ~ 2028 グローバル補助金
 奨学生 川合菜月 GG2577248

 

第4回 中間報告書(2026年1月1日 ~ 2026年1月31日)

1. 基本情報

カウンセラー(派遣側) 林 明様
R財団副部門長(熊本江南RC)
カウンセラー(受入側) Ms Dârini Vedarattiname (Westminster International R.C President)
教育機関 London School of Hygiene and Tropical Medicine
専攻分野 Epidemiology and Population Health (母子の健康‐栄養)

2. 学業面での成果,状況,予定等

日本では寒い日が続き、九州にも寒波が訪れていると伺っております。ロータリアンの皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしでしょうか。
博士課程に入学してからの最初の三ヶ月間は、「探る・繋がる・整える」の三点を目標に、研究テーマの位置づけを明確にすることに力を注いできました。学内外の研究者との議論や関連分野の動向把握を通じて、自身の専門である国際栄養分野における研究の方向性を多角的に検討する期間となりました。
年明け以降は、「構築・再定義」の段階に入っています。これまでに広げたネットワークや得られた学びを基盤に、今後三年間で取り組む博士研究の具体的なテーマを定めていく時期です。机上で構想したアイデアが実際に実行可能かどうか、また現場では論文からは見えにくいどのような課題が存在しているのかを確かめるため、本年一月にベトナムへ研究出張を行いました。
私の専門は西アフリカ地域の栄養改善ですが、その研究を立案する現段階において、経済発展段階がやや先行する国が現在どのような栄養課題に直面しているのかを理解したいと考えたことが理由です。また、欧米からの支援が比較的強いアフリカ諸国と比べ、より自立的な政策形成を進めてきたアジア諸国では、政府がどのような役割を担っているのかを学ぶことも、本研究の視野を広げるうえで重要だと感じました。
ベトナムでは、国立栄養研究所、ハノイ医科大学、ホーチミン医科大学を訪問し、研究者や教育関係者との意見交換を行いました。また、地域で栄養課題の解決に取り組む栄養士の方々へのヒアリングや、都市部における子どもたちの食環境の観察調査も実施しました。ベトナムは近年、栄養士制度を導入した国の一つです。栄養士という専門職が制度化されている国は世界的にはまだ限られており、制度の整備は母子保健の向上にとって大きな意味を持ちます。飢餓から過栄養へと急速に移行する社会変化の中で、母子の健康にどのような課題が生じているのか、そしてそれに対して政府や大学機関がどのような支援を行っているのかを、現場で直接伺うことができました。

経済発展が進む一方で、北部山間地域の少数民族への栄養支援や、中部地域での洪水時の緊急栄養対応など、発展の過程で顕在化する課題も存在しています。どの地域、どの民族の母親や子どもも取り残されることのない栄養支援のために何が必要なのかという問いは、今後西アフリカ地域で研究を進める上でも重要な視点になると感じました。今後は、今回の出張で得た知見を踏まえ、博士研究テーマの具体化と研究計画の精緻化を進めてまいります。

 

3. 受入ロータリーとの交流

今月は研究出張のため、受入クラブのあるロンドンを離れておりましたが、オンラインにてローターアクトクラブのメンバーと交流する機会をいただきました。
現在、ロンドンのローターアクトでは、パブリックスピーキングを学ぶ国際的な非営利教育団体「トーストマスターズ」と連携した研修の実施に向けて話し合いが進められています。スピーチやプレゼンテーション能力の向上を目的とした取り組みであり、学業のみならず、社会において必要とされる発信力を高める貴重な機会になると感じています。
私自身、もともと人前での発言に苦手意識があり、さらに外国語で学ぶ環境の中で、自身の表現力や伝える力の不足に悩むことも少なくありませんでした。そのため、この研修を通して自らのプレゼンテーション能力を高め、研究成果をより的確に社会へ発信できる力を身につけたいと考えております。
このような学びと挑戦の機会を与えていただけるロータリーのつながりの中に身を置けていることを、大変ありがたく感じております。

 

4. その他(留学先での出来事等)

博士留学を機に、これまで専門としてきた栄養改善に加え、食・栄養・健康を取り巻く環境問題についても専門性を高めたいと考えるようになりました。現在は「プラネタリーヘルス」分野の授業を聴講し、地球環境と人々の健康を統合的に捉える視点を学んでいます。
環境負荷の主な要因は先進国側にあるとされる一方で、その影響を大きく受けるのはアフリカなどの途上国、そして社会的に弱い立場に置かれやすい母親や子どもたちです。今後私が目指す栄養改善が、人々の健康の向上だけでなく、地球環境の持続可能性にも配慮したものであるように、新たな分野の知識を吸収する過程を楽しみながら学びを深めています。

また、これまで英語とフランス語を用いて勤務や研究活動を行ってきましたが、新年を機に、さらにもう一つ新しい言語の習得にも挑戦することにいたしました。前職の国際連合勤務時代には、四〜五ヶ国語を自在に操る同僚に囲まれ、自身の語学力向上の必要性を強く感じておりました。博士課程に進学して数ヶ月が経ち、先月のネパールでの学会参加や今月のベトナム研究訪問を経て、現状に満足することなく、専門性・語学力の双方を一層高めていきたいとの思いを新たにしております。

次回皆様に直接ご挨拶させていただく際には、成長した姿をご報告できるよう、引き続き努力を重ねてまいります。

 

ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第4回)

ベトナム・ハノイの国立栄養研究所にて。副所長及びデータサイエンス部門長との面談。

 

ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第4回)

ベトナムの視察にて。都市部では子どもや母親の手に取りやすい屋台が多い一方、その衛生状態や栄養バランスの偏りなどが課題になっています。

 

ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第4回)

最近読んでいる本です。訳者の先生にも先日ご挨拶させていただきました。

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