ロータリー財団奨学生中間報告 川﨑 千祥(第7回)
2025年05月16日
2024 ~ 2025年度 グローバル補助金 奨学生
川﨑 千祥
第7回 中間報告書(2025年4月1日 ~ 2025年4月30日)
1. 基本情報
カウンセラー(派遣側) | 熊本江南ロータリークラブ |
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カウンセラー(受入側) | Rotary Club of Barnet |
教育機関 | London School of Economics and Political Science (LSE) |
専攻分野 | 平和構築と紛争予防 |
2. 学業面での成果,状況,予定等
新年明けましておめでとうございます。
4月は授業がすでに終了していたこともあり、5月中旬に控える期末エッセイ試験に向けて準備を進めました。試験のテーマを考えながら、文献を読み込む日々が続きましたが、同時に、ずっと会いたかった人や、訪れたかった場所にも足を運ぶことができ、充実したひと月となりました。
私は小学生時代をロンドンで過ごし、当時は週末にJOBA補習校に通っていました。小学3年から6年まで、日本の教育に遅れをとらないようにと、毎週末お世話になっていた場所です。中学から は日本に帰国し、それ以来英国を訪れることはありませんでしたが、今回、10年ぶりに当時の恩師にお礼を伝えに行くことができました。久しぶりの再会に胸がいっぱいになり、何よりも、先生が私のことを今も覚えていてくださったことに深く感動しました。
JOBAロンドン校のでお世話になった先生方との、懐かしい再会
また、日本でお世話になっている方のご紹介を通じて、JSPS(日本学術振興会)ロンドンセンターの小林センター長とお会いする機会をいただきました。JSPSは、日本の学術研究を国内外で推 進する独立行政法人で、特に若手研究者への支援や国際的な学術交流を行っています。小林さんのお話からは、アカデミアでのキャリア形成や、ロンドンで長く仕事をされてきた経験のリアリティを伺うことができ、大変刺激を受けました。私自身もその場でJSPS会員に登録し、今後の学びに役立てていきたいと思っています。
JSPS(日本学術振興会)ロンドンセンターの小林センター長ともお会いすることができました
学業の合間には、寮の友人たちと過ごす時間も大切にしました。寮には素敵な中庭があり、春の陽気とともに日も長くなってきた今、BBQをしたり、夕方にゆっくりお茶を飲みながら語る時間が増えました。世界中から集まった学生たちと食卓を囲み、文化や価値観についてざっくばらんに語り合える空間はとても心地よく、自分の視野が広がるのを感じます。
寮の友人たちと、寮の庭でBBQを楽しみました
また、私は日頃からお茶が好きで、朝はコーヒー、午後には紅茶や緑茶を飲むのが日課になっています。ロンドンに来てからは、特にお茶文化に関心を持つようになり、抹茶など日本茶への関 心の高さにも驚きました。
寮で所属しているコーヒーソサイエティでの一コマ
日本文化について、しっかり理解してもらいたい、自分でもきちんと説明できるようになりたい、そんな思いから、友人を誘って、大英博物館で三菱商事が主催する「The Way of Tea」という茶道のデモンストレーションを見に行きました。日本の精神文化に触れながら、茶を通じて心を整える時間がとても印象的で、見終えた後には、「今度は私がお茶を点ててあげたいな」と、自然とそんな気持ちが湧いてきました。
寮で所属しているコーヒーソサイエティでの一コマ
ロータリー財団の活動としても紹介されているように、2011年、京都ロータリークラブ会員であり裏千家前家元の千玄室氏が、ハワイにて平和祈念献茶式を行いました1。茶道における「一椀のお茶」に込められた想いを通じて、心の安らぎと平和を育むこの文化の力を、私自身も大切にしていきたいと感じています。
ロータリー財団(2011)『一椀から平和を ― 茶道とロータリーの交差点』ロータリー・インターナ ショナル公式ウェブサイト
3. 受入ロータリーとの交流
今月は、ロンドン・ミニマラソンのボランティアに参加しました。他のロータリー奨学生とともに、給水所の担当として子どもたちのランナーをサポートしました。
元気いっぱいに駆け抜けていく子どもたちから「ありがとう!」とたくさん声をかけてもらい、むしろこちらが元気をもらえる経験となりました。参加を通じて、地域と関わりながら人と人とがつながる楽しさや、ボランティアの意義を改めて実感する機会になりました。