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グローバル奨学金報告書 河村 陽一郎(2019年8月)

マサチューセッツ総合病院 脳神経外科
河村 陽一郎

 

早いもので米国生活も6ヶ月目に突入です。5月27日のMemorial day(戦没将兵追悼記念日)により始まる夏は9月2日のLaborday(勤労感謝の日)で終わり、秋の訪れとなります。通勤に使うMinuteman bike road(鉄道路線を自転車道路に変えたもの)では7月に蛍を見たばかりなのに、朝夕はすっかり寒さを感じます。New Englandは紅葉樹林の生い茂る地域ですので、紅葉はさぞ美しいだろうと、楽しみにしているところです。

グローバル奨学金報告書 河村 陽一郎(2019年8月)

通勤路である Minuteman bike road

 

研究は昨年度まで勤務していた研究員の仕事を引き継ぎ、システムに大分慣れてきたところです。筆頭著者ではありませんが、1本の論文が採用されました。名前の順番以上に大きな貢献ができたのではと自負しています。今はさらに別の研究員が果たせなかった動物実験のデータを得ることができ、次の論文の作成を進めているところです。腫瘍溶解性ウイルスを用いた脳腫瘍治療の開発は“毒を以て毒を制す”といったものです。実験モデルにおける予想以上の効果の強さを喜ぶ反面、人の治療開発には慎重に慎重をきす必要があります。臨床応用への道のりの長さを感じているところです。この仕事がひと段落したら、いよいよ私自身のプロジェクトである腫瘍免疫に主眼を置いた研究を始めることができます。

グローバル奨学金報告書 河村 陽一郎(2019年8月)

採用論文

 

また、9月中旬からの英語クラスに参加します。これは所属するマサチューセッツ総合病院がかかえる多くの留学生にハイレベルな英語を身につけさせるためのもので、週2時間半を12週行います。私も日常会話ではあまり困りませんが、今の英語力では高度な議論に耐えるレベルでないと痛感する毎日であり、少しでも英語力を向上できればと思っています。さらに10月、12月には生命科学者に必要なコンピュータ・プログラミングの講習会に参加してきます。こちらは世界中から優れた科学者を集めるべく、様々な魅力的なプログラムを無料で受ける事ができます。時間を見つけて、できる限り参加しようと思っています。

グローバル奨学金報告書 河村 陽一郎(2019年8月)

通勤路から見えるスパイポンド