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ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第1回)

2025 ~ 2028 グローバル補助金
 奨学生 川合菜月 GG2577248

 

第1回 中間報告書(2025年10月1日 ~ 2025年10月31日)

1. 基本情報

カウンセラー(派遣側) 林 明様
R財団副部門長(熊本江南RC)
カウンセラー(受入側) Ms Dârini Vedarattiname (Westminster International R.C President)
教育機関 London School of Hygiene and Tropical Medicine
専攻分野 Epidemiology and Population Health (母子の健康‐栄養)

2. 学業面での成果,状況,予定等

ロータリー第2720地区の皆様、こんにちは。日頃より多大なるご支援を賜り、心より御礼申し上げます。このたび、グローバル補助金奨学生として英国ロンドン大学熱帯医学衛生大学院(London School of Hygiene & Tropical Medicine)博士課程に進学いたしました、川合菜月(かわいなつき)です。大分県出身で、2018年には同じく奨学生として英国のウェストミンスター大学にて公衆栄養学修士課程を修了いたしました。その後、カンボジアのNGOやアフリカの国連機関で勤務した後英国に戻り、本年9月より博士課程にて「アフリカ地域における母子の栄養改善」に関する研究を進めております。

博士課程の新学期は9月の下旬に始まりました。前職であるアフリカでの業務を9月中旬に終えたのち、数日間地元・大分に戻って家族や恩師と時間を過ごし、そのままロンドンへ渡航しました。到着直後からWelcome Weekと呼ばれるオリエンテーションが始まり、世界中から集まった博士課程の学生たちと交流する機会に恵まれました。私の所属する疫学・人口保健部門には約50名の博士課程学生が入学し、そのうち数名が私と同じく栄養学分野を専門としています。

渡英当初は海外での博士課程という大きな舞台にやや緊張を覚えましたが、同じ志を持つ仲間と議論を交わすうちに次第に不安は和らぎ、今では共に学ぶ喜びを感じている日々です。特に、アフリカ諸国の栄養課題や母子保健政策について熱く語り合える仲間と出会えたことは、研究への大きな励みとなっています。

この1か月は、指導教官およびアドバイザーとの面談を重ねながら、自身の研究案の具体化を進めるとともに、研究に必要な分析手法や疫学的アプローチを身につけるため、追加で授業の履修も始めました。また、学内では他国からのグローバル補助金奨学生とも出会い、ロータリーの理念を共有できる仲間が世界中にいることを心強く感じています。

博士課程は3~4年をかけて研究成果を積み重ねていく「長距離走」とも言われます。焦らず、一歩ずつ着実に歩みを進めながら、奨学生としての責任を胸に、日々研究と学びに励んでまいります。

 

3. 受入ロータリーとの交流

大変ありがたいことに、受け入れクラブである Westminster International Rotary Club の皆様には、私たち奨学生の渡英前から大変手厚いご支援をいただき、安心して留学生活をスタートすることができました。渡英から2週間後の10月初旬には、もう一人の奨学生Katyとともに、クラブの皆様がロンドン中心部のパブで歓迎の夕食会を開いてくださいました。ギリシャやトルコなどへの出張帰りのロータリアンの方々も駆けつけてくださり、温かくも賑やかな雰囲気の中で、さまざまなお話を伺うことができました。クラブのカウンセラーである Dariniさん は、なんと以前、別府の立命館アジア太平洋大学(APU)に留学されていたとのことで、地元・大分のお話で盛り上がり、遠く離れたロンドンで思いがけず“郷土の縁”を感じるひとときとなりました。

また、ロンドン全体のロータリークラブ主催の奨学生オリエンテーションや、Westminster Internationalローターアクトクラブの例会にも参加し、多様なバックグラウンドを持つ学生・ロータリアンの方々との交流を深めました。さらに、地区大会にも参加し、週末には英国南部のイーストボーンで開催された会合に泊まりがけで出席いたしました。ロータリアンの方が車で送迎してくださり、帰り道には一緒にハロウィンのかぼちゃを買うという心温まる時間もありました。

奨学生という立場を超えて、まるで家族のように温かく迎えてくださるクラブの皆様に、日々深い感謝の思いでいっぱいです。今後もこのご縁を大切にしながら、ロータリーの理念である「奉仕の心」を胸に、学びと経験を重ねてまいります。

 

4. その他(留学先での出来事等)

私が留学している ロンドン大学熱帯医学衛生大学院は、ロンドン大学群(University of London) という大学連合の一員で、LSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)やUCL(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)など、ロンドンを代表する名門校が多数加盟しています。

この大学連合には現在13の大学が所属しており、学生は相互に図書館を利用したり、他大学の講義を履修したりすることが可能です。ロンドン全体が一つの大きなキャンパスのようで、日々、調べ物のために他大学の図書館へ出かけたり、異なる分野の講義を受講して新たな仲間と出会ったりと、非常に刺激的な環境の中で学んでいます。

特に印象的なのが、セナート・ハウス図書館(Senate House Library) です。1937年に建てられた歴史ある建物で、200万冊を超える蔵書を誇ります。私はここで、自身の研究テーマである西アフリカ地域に関する貴重な資料を数多く見つけることができました。

博士課程は3〜4年と長い道のりですが、いざ始めてみると、学びたいこと・調べたいことが次々と広がり、知的好奇心が尽きることはありません。日々、学びに没頭できるこの環境に身を置けることを、心から幸せに感じています。

ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第1回)

10月6日:ロンドン・ロータリークラブ主催の奨学生オリエンテーションに参加

 

ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第1回)

10月8日:受け入れクラブである Westminster International Rotary Club 主催の夕食会に参加

 

ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第1回)

10月22日:Westminster International ローターアクトクラブの例会に出席

 

ロータリー財団奨学生中間報告 川合 菜月(第1回)

10月27〜28日:ロンドン・ロータリークラブ地区大会に参加