2024 ~ 2025年度 グローバル補助金 奨学生
川﨑 千祥
第5回 中間報告書(2025年2月1日 ~ 2025年2月28日)
1. 基本情報
カウンセラー(派遣側) | 熊本江南ロータリークラブ |
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カウンセラー(受入側) | Rotary Club of Barnet |
教育機関 | London School of Economics and Political Science (LSE) |
専攻分野 | 平和構築と紛争予防 |
2. 学業面での成果,状況,予定等
新年明けましておめでとうございます。
今月も先月と同様、コースワークを中心に、学習を進めました。新しい考え方や理論などを学ぶ中でも特に、国際開発を批判的に学ぶ授業で取り上げられたミシェル・フーコーの「 Governmentality(統治性)」という概念は非常に興味深かったです。この概念は、国家が法や命令による直接的な支配ではなく、個人の「自由」や「自己実現」、「自律性」などを強調する言説や制度を通じて、結果的に人々の行動を巧みに導いていく統治のあり方を指します。このような間接的でな支配構造は、今日のグローバル・ガバナンスや国際開発の現場にも深く浸透していることを認識させられ、特に「人をケアする」・「エンパワーする」という語りの裏に潜む統治の論理について、改めて考えさせられました。
中でも、「Biopolitics(生政治)」の概念には強く惹かれました。これは、国家や制度が人間の生命 (生存、健康、出生、性など)を対象に支配・管理しようとする権力のあり方を指します。私は学部時代、国連人口基金(UNFPA)でインターンシップを経験し、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)に深い関心を持っていたため、この概念はとても身近で、かつ理論的にも興味深く感じま した。ジェンダーや身体、福祉政策といった分野において、この「生政治」という視点は、今後の研究でも重要な鍵になると実感しています。
論文を読むのには今でも時間がかかりますが、寮に併設された図書館のおかげで、夜遅くまで勉強していても安心して帰宅することができています
また、今月はReading Week(学期中の休み期間)を利用して、学部時代に交換留学をした香港大学にて親しくなったフランス人の友人を訪ねて、パリを訪問しました。ちょうど
Salon International de l’Agriculture(国際農業見本市)が開催されており、元フランス植民地諸国のブースが多数出展していたことから、フランスの外交政策やポストコロニアルな関係性について、現場から学ぶ良い機会となりました。
Salon International de l’Agriculture(国際農業見本市)
高校時代に世界史や政治哲学に興味を持っていたこともあり、パンテオンでヴォルテールとルソーの墓を訪れることができたのは、とても印象深い体験でした。かつて激しい論争を繰り広げた二人が、今では向かい合わせに安置されているという話を聞き、その歴史的な皮肉に思わず微笑みつつ、思想家たちがどのように後世に記憶されていくのかについて、改めて考えさせられました。
パンテオンに眠る、ヴォルテールとルソーの墓
3. 受入ロータリーとの交流
今月は学業が忙しく、残念ながら受け入れクラブとの交流の機会を持つことができませんでした。来月以降は、積極的に交流の場を持てるようにしたいと考えています。
勉強の合間によく足を運ぶ、LSEのすぐ隣にあるお気に入りの公園。心を整える大切な場所です。